検索結果、上位サイトを何サイトまで見るか?315人の行動データから見えた「AI時代の比較文化」

【独自調査】検索結果、上位サイトを何サイトまで見るか?315人の行動データから見えたAI時代の比較文化
独自調査レポート

【独自調査】検索結果、上位サイトを何サイトまで見るか?
315人の行動データから見えた「AI時代の比較文化」

調査・分析:ナレッジホールディングス / 調査時期:2024年5月

デジタルマーケティングの世界において、「検索順位」は常に至上命題です。しかし、実際にユーザーが検索結果の画面を開いたとき、上から何番目までのサイトをクリックし、何サイトを比較検討の対象としているのか、その実態を正確に把握しているでしょうか。

今回、弊社では315名を対象に、検索行動およびAI検索利用に関する独自調査を実施しました。Google検索の枠を超え、AIチャットの台頭によって変容しつつあるユーザーの「情報収集のリアル」を解き明かします。

SECTION 01調査概要

本記事のデータは、以下の調査に基づいています。

■ 調査概要

調査名称
検索行動および情報収集に関する実態調査(2024年度)
調査対象
全国 10代〜50代の男女
有効回答数
315名
調査時期
2024年5月
調査方法
インターネットパネルによるアンケート調査
性別比率
男性 52.4% / 女性 47.6%
職業
会社員(45.0%)を筆頭に、専業主婦、パート・アルバイトなど

SECTION 02【Q1】比較・検討の対象とするのは「上位2〜3サイト」が過半数

まず、最も核心的な問いである「検索結果から比較・検討の対象として見るサイト数」についてです。

■ 調査結果:Q1 比較・検討の対象として見るサイトは?

  • 2〜3サイト50.48% / 159人)
  • 4〜5サイト23.17% / 73人)
  • 6サイト以上9.52% / 30人)
  • 特に決まっていない9.21% / 29人)
  • 1サイトのみ7.62% / 24人)
50.48%
過半数のユーザーが「2〜3サイト」のみを比較対象としている。
「1サイトのみ」と合わせると、約6割が上位3〜4位以内で意思決定を完結。

■「3サイトの壁」という絶対的な境界線

調査の結果、全体の約半数が「2〜3サイト」を比較の基準にしていることが分かりました。これに「1サイトのみ」を加えると、全体の約6割が、検索結果の1ページ目に表示される上位3〜4位以内で意思決定のプロセスを終えていることになります。

なぜ「2〜3サイト」に集中するのでしょうか。これには「情報の妥当性」と「認知コスト」のバランスが関係しています。

ユーザーは1つのサイトだけでは「情報が偏っているかもしれない」という不安を感じますが、4つも5つも読み込むのは時間がかかりすぎると判断します。結果として、「AサイトとBサイトを比較し、念のためCサイトで裏付けをとる」という行動パターンが定着していると考えられます。

SECTION 03【Q2・Q4】下位サイト(6位以下)は「時間が余れば見る」程度の存在

続いて、検索結果の6位以下、あるいは2ページ目以降のサイトがどのように扱われているかを探りました。

■ 調査結果:Q2 意識的に下位サイトを選ぶことはあるか?

  • たまにある39.05%
  • あまりない36.19%
  • ほとんどない17.14%
  • よくある7.62%

■ 調査結果:Q4 上位に表示されていないサイトの扱いは?

  • 内容次第で見る43.81%
  • 時間があれば見る程度40.00%
  • 基本的に比較対象に入らない10.48%
  • 特に気にしない5.71%

■「スルーされる」のではなく「優先順位が低い」

Q2では「たまにある」と「あまりない」が拮抗していますが、Q4の結果を見ると、下位サイトが「全く見られない」わけではないことが分かります。「内容次第で見る(43.8%)」と「時間があれば見る(40.0%)」を合わせると、8割以上のユーザーが条件付きで下位サイトへのアクセスを検討しています。

しかし、条件付きでアクセスをするということは、「上位3サイトで満足できなかった場合のスペア」という扱いになっているということです。つまり、タイトルがいかに魅力的であっても、ユーザーの時間が尽きれば、下位サイトはクリックすらされないという実態がわかります。

SEOにおける「1ページ目、それも5位以内」の重要性は、
依然として極めて高い。

SECTION 04【Q3】ユーザーが抱く「上位表示サイト」への心理的バイアス

検索順位は、単なるアクセスのしやすさだけでなく、サイトの「信頼性」にも直結しています。

■ 調査結果:Q3 上位サイトに対してどのような印象を持つか?

  • 多くの人に選ばれていそうだと感じる43.17%
  • 特に意識していない24.76%
  • 信頼性が高そうだと感じる23.81%
  • 広告や操作の可能性を疑う8.25%

■「人気=信頼」というバンドワゴン効果

4割以上のユーザーが、上位サイトを「多くの人に選ばれている(=マジョリティである)」と解釈しています。「信頼性が高そう」という回答(23.8%)と合わせると、約7割のユーザーが検索順位をポジティブな評価軸として捉えています

一方で、「広告や操作を疑う」層が8%程度存在することも無視できません。近年の「いかにもSEO対策を施したアフィリエイトサイト」に対するユーザーの目は厳しくなっており、順位が高いだけでなく、「中身の誠実さ」が同時に求められている時代の変化が読み取れます。

SECTION 05【Q5・Q6】AI検索の登場が変えた「検索の出口」

現在、Google検索に並んで注目されているのが「ChatGPT」や「Perplexity」「SearchGPT」といったAI検索です。今回の調査では、AI検索がユーザーの行動をどう変えたかについても掘り下げました。

■ 調査結果:Q5 AI検索で回答を得た後、どう行動するか?

  • Googleなどで再検索する40.32%
  • 少しだけ追加でAIに質問する36.83%
  • 必ず複数サイトで確認する13.33%
  • そのまま意思決定(購入など)する9.52%

■ 調査結果:Q6 AI検索の登場で、検索結果の閲覧量は変わったか?

  • 変わらない46.67%
  • やや減った31.43%
  • 大幅に減った13.65%
  • 増えた8.25%
53.6%
AIで回答を得たあとも、半数以上のユーザーが「Google再検索」または「複数サイト確認」を行い、裏付け作業を欠かさない。

■「AIはきっかけ、Googleは裏付け」の役割分担

非常に興味深いのは、Q5で約4割のユーザーがAIで回答を得た後に「Googleなどで再検索する」と答えている点です。「必ず複数サイトで確認する」の13.3%を合わせると、半数以上のユーザーがAIの回答を鵜呑みにせず、従来型の検索エンジンに戻って「裏付け」を取っています

また、Q6では約45%のユーザーが「閲覧量が減った(大幅に+やや)」と回答しています。ここからは、簡単な悩み相談や用語解説など、裏付けなしで済む検索に関しては、すでにAIがGoogleのシェアを奪い始めていることを推測できます。

しかし、比較検討が必要な「購買」など、意思決定に関わる検索では、依然として複数のサイトを回遊する従来の検索行動が根強く残っていることもわかります。

SECTION 06深層心理データから読み解く「検索ユーザーの正体」

今回の調査では、回答者の性格や価値観についても詳細なプロファイリングを行いました。ここから、検索結果を細かくチェックする層と、そうでない層の傾向が見えてきます。

■ 効率重視と保守性の共存

回答したユーザーの消費行動原理の傾向を分析すると、いくつかの割合の高い特徴が浮かび上がりました。

36.5% ① 失敗回避型・ブランド志向

新しい情報よりも、定番や実績のある情報を好む傾向。これが「上位サイト=みんなが選んでいるもの」への信頼につながる。

21.9% ② タイパ重視型消費

「最短で正解に辿り着きたい」という欲求が強く、2〜3サイトで比較を切り上げる行動を裏付けている。

32.1% ③ 承認欲求・ステータス志向

「失敗したくない」「良いものを選んでいると思われたい」心理から、最終的に自分の目で複数サイトを確認する慎重さが生まれる。

43.2% ④ 時間にシビア

常に「検索疲れ」と戦っている層。ストレスなく必要情報に辿り着けるかが、WEBサイトへの最重要要求となる。

特に注目すべきは「時間にシビア(43.2%)」という特徴です。ユーザーは常に「検索疲れ」と戦っています。「膨大な検索結果の中から、いかにストレスなく必要な情報に辿り着けるか」が、これからの時代、WEBサイトには求められることが推察できます。

サイトの運営者にとっては「結論ファースト」の構成と、信頼に足る根拠の提示がこれまで以上に重要となってくるでしょう。

SECTION 07考察|これからのコンテンツ制作に求められる3つの視点

今回の「検索結果、上位サイトを何サイトまで見るか」という調査から考察し、ナレッジホールディングスがおすすめする、今後のマーケティング戦略に活かすべき3つのポイントをまとめます。

① 「3位以内」に入らなければ、比較の土俵にすら乗れない

ユーザーの半数が2〜3サイトしか見ない以上、4位以下のサイトは「予備」扱いです。SEO対策において、単に1ページ目を目指すのではなく、特定のスモールキーワードでも良いので「3位以内」を奪取する戦略が、CV(コンバージョン)獲得には不可欠です。

② AI時代こそ「裏付け先」としての自サイトの信頼性を磨く

ユーザーはAIの回答を「信じたいが、疑っている」状態です。AI検索からGoogleに戻ってきたユーザーを捕まえるためには、「専門家による監修」「実体験に基づく1次情報」「独自の検証データ」など、AIには生成できない「人間による裏付け」を強調することが重要です。

③ タイパ(タイムパフォーマンス)を意識したUI/UXが重要

「時間にシビア」なユーザーがマジョリティである以上、冗長な導入文や、結論がどこにあるか分からない記事は即座に離脱されます。2〜3サイトを回遊するユーザーは、「このサイトには他にはない視点があるか?」を瞬時に判断しています。目次構成、インフォグラフィックスの活用、箇条書きによるまとめなど、視覚的に「読む価値」を伝える努力が必要です。

■ 終わりに|AI時代の検索行動は「二極化」する

検索行動は、AIの普及により今後さらに二極化していくでしょう。

「すぐに知りたい」というニーズはAIへ向かい、「じっくり選びたい」というニーズは、より信頼できる限られた上位サイトへ向かうことになると考えられます。

私たちが目指すべきは、その「限られた2〜3サイト」の中に選ばれ続ける、質の高いコンテンツ提供に他なりません。

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