
【2026年7月】月刊AI検索業界レポート
検索が「調べる」から「動く」へ ─ AIにくわしくない人のためのまるわかりまとめ
最近、Googleで検索すると答えが一番上にドンと表示されて、サイトを開かなくても済んでしまうこと、増えていませんか? 実はこれ、私たちの「調べ方」を根っこから変える大きな流れのサインです。この記事では、2026年7月に起きた検索まわりの出来事を専門用語ゼロで、数字と出典つきでやさしく解説します。
■ まずは「これだけ」用語ミニ辞典
- AI検索
- キーワードではなく、話しかけるように質問すると、AIが答えをまとめてくれる新しい検索のこと。
- AI Overviews
(AIによる概要) - 検索結果の一番上に出る「AIがまとめた答え」。便利な反面、サイトがクリックされにくくなります。
- ゼロクリック
- 検索結果を見ただけで満足し、どのサイトも開かずに終わること。
- GEO/AEO
- 「AIの答えの中で自社を取り上げてもらう」ための新しい対策。従来のSEO(検索で上位に出す工夫)のAI版と考えるとわかりやすいです。
01■ 今月の重要アップデート
Googleの新しいAIが検索にどんどん組み込まれている
Googleは、動作が速くて費用も抑えられる新しいAI(「Gemini(ジェミニ)」シリーズの最新版「Gemini 3.5 Flash-Lite」)を、検索にどんどん取り入れています。難しく考えなくて大丈夫。要するに「検索が、より賢く・より速く答えてくれるようになってきた」ということです。
「AIのせいでサイトが見られなくなる」って本当?
「AIが答えを出すなら、もう誰もサイトを開かないのでは?」という不安に対し、Googleの検索責任者は2026年7月17日、「AI検索だけでも、毎週数十億回もサイトへの訪問(クリック)を生んでいる」と反論しました。「AIで検索が便利になったから、むしろみんな以前より検索している」という主張です。
ただし、この“毎週数十億回”という数字は今回が初公開で、各サイトが自分で確かめる手段がない、という指摘も出ています。
EUがGoogleに“約10億ドルの罰金”
ヨーロッパの規制当局(EU)は2026年7月23日、Googleに合計8.9億ユーロ(約10億ドル=ざっくり1,500億円前後)の制裁金を科しました。理由は「検索やアプリストアで、自社のサービスを優遇してライバルに不利にしていた」というもの。これはEUの新しいルール(DMA=巨大IT企業に公正な競争を促す法律)にもとづくGoogleへの初めての罰金です。
02■ Google公式からのお知らせ
SNS・動画の成果も分析できるように
Googleの分析ツール「Search Console(サーチコンソール)」は、自分のサイトだけでなくInstagram・TikTok・X・YouTubeの投稿が検索でどれだけ見られているかも確認できるようになりました(2026年7月7日)。自分のサイトを持っていない発信者でも使えます。
ネットショップ向け:AI検索での“見え方”がわかる
ネットショップ向けの管理ツール「Merchant Center(マーチャントセンター)」では、自社の商品がAI検索でどれくらい表示されているかを確認できる新機能が発表され、順次使えるようになっています(2026年5月27日発表)。「AIにおすすめされているか」を数字で追えるようになる、というイメージです。
Googleの業績は絶好調(AIが稼ぎ頭に)
Google親会社Alphabetの4〜6月期の売上は1,198億ドル(前年より24%増)。うち検索の広告収入は約633億ドル(+17%)と伸び、AIが売上を押し上げていると強調されました。「AIで検索が便利になる → 使う人が増える → 広告も伸びる」という流れです。
03■ AI検索(Overview・Perplexity等)の動き
検索したまま買い物や予約ができる新機能
アメリカでは2026年7月16日、GoogleのAI検索(AI Mode)から外部アプリを直接使える新機能「Connected Apps」が登場。たとえば「バーベキューの買い物リストを作って」と話しかけると、そのままInstacart(ネットスーパー)のカートに材料が追加される、デザインアプリCanvaのテンプレートを呼び出す、YouTube Musicにプレイリストを保存する……といったことができます。
YouTubeでもAIに聞いて動画を探せる
YouTubeでは、AIと会話しながら見たい動画を探せる「Ask YouTube」が広がっています。決算によると2026年6月には1億4,000万人以上が利用したとのこと。キーワードを打たなくても、話しかけるだけで関連動画を提案してくれます。
画像検索もどんどんAI化
Googleの画像検索でも、AIによる概要のなかで画像を見せたり、AIが画像そのものを作ったりと、AI機能の強化が進んでいます。文字だけでなく“見た目”を起点にした検索・生成の体験が広がりつつあります。
04■ 海外で話題になった調査・記事
「1位でもクリックが減る」時代に(日本で62.7%減)
分析ツール大手Ahrefs(エイチレフス)の調査では、AIによる概要が出ることで、日本の「調べもの系」キーワードでは、検索1位でもクリック率が62.7%も下がったとのこと(2026年6月時点)。半年前(−38%)から一気に悪化しています。「1位を取れば安心」ではなくなってきた、という象徴的な数字です。
「AIに勝手に使われるのは困る」メディアの反発も
「AIに記事を学習されても見返りが少ない」として、Googleのデータ収集(クローラー)をブロックしようとする海外メディアが出ています。関連して、大手のCloudflare(クラウドフレア)は2026年9月以降、一部の対象で“検索とAI学習を兼ねた収集”を初期設定でブロックする方針を発表し、話題になりました。
Googleが起こした裁判で、Google側の主張が退けられる
Googleが「検索結果を勝手に収集された」として、あるデータ会社(SerpApi)を訴えた裁判では、2026年7月20日、米国の裁判所がGoogle側の主張(著作権法違反)を退けました。「公開されている検索結果は著作権で守る対象ではない」という判断です。
05■ 国内業界の動き
老舗のお米屋さんも「AI対策」に本腰
国内でも、AI検索への対応で成果を出す事例が増えています。たとえば京都の老舗米店・八代目儀兵衛(はちだいめぎへえ)は、「検索では上位なのにAIには推薦されない」という悩みに直面。サイトの見直しに加え、SNSや口コミ、リアルの取り組みまで含めて「お米ギフトといえばここ」とAIに認識してもらう対策を進めています。航空会社のフジドリームエアラインズも、SNSと口コミ(UGC)の強化で“フォロワー6倍・口コミ200%増”という成果を上げた例として紹介されました。
8月には「生成AI×マーケティング」の大型イベントも
2026年8月27日には、オンラインで「生成AI × マーケティング フォーラム 2026」が開催予定。日本マイクロソフトやサイバーエージェント、電通などが登壇し、最新のAI検索対策が紹介される見込みです。なお、国内最大級のWebマーケメディア「Web担当者Forum」は今月、創刊20周年を迎えました。
06■ 弊社見解 ─ 来月注目すべきポイント
今月は、Googleが検索を「情報を探す道具」から「用事をその場で片づけてくれる相棒」へと進化させた、大きな節目の月でした。来月に向けて、私たちが押さえておきたいポイントを3つに整理します。
検索順位を上げるだけでなく、AIの答えの中で紹介・引用してもらう工夫(GEO/AEO)を始めましょう。
お客さんはSNSや動画きっかけで来ることも。チャネルをまたいで「AIにどう見られているか」を確認する時代です。
検索からそのまま予約・購入まで完結する流れに。使ってもらうところまで設計できると強いです。
- 数字が示す現実:日本の検索1位のクリック率は −62.7%。上位表示=安心ではなくなってきました。
- ピンチはチャンスにも:逆にAIに引用されれば露出は増えます。わかりやすく・信頼できる情報発信がカギ。
- まずは現状把握から:無料ツールで「自分がAI検索でどう見えているか」をのぞいてみましょう。
まとめ ─ 検索は「調べる」から「動く」へ
2026年7月は、Googleが検索を「情報を探す道具」から「用事をその場で片づけてくれる相棒」へと進化させた、大きな節目の月でした。むずかしく考えなくて大丈夫。ポイントは「AIに選んでもらえる情報を発信できているか」という一点です。
これからは、わかりやすく信頼できる情報を出し続けながら、サイト・SNS・動画を通じて「この分野といえばこのブランド」と覚えてもらうことが、ますます大切になっていきます。
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