
商品購入時の検索行動 ─
検索エンジン・AI・SNSの使い分けを
311人に調査
商品を買う前の「調べ方」が、いま大きく変わりつつあります。従来の検索エンジンに加え、AIチャットやSNS検索が台頭し、消費者は複数のツールを目的別に使い分けるようになりました。本記事では、20〜59歳の男女311名に実施したアンケートをもとに、「検索→AI→SNS」の使い分けの実態を数値で明らかにします。
■ 調査概要
- 調査対象
- 商品購入前に検索エンジン・AI・SNSの3つすべてを利用する20〜59歳男女
- 有効回答数
- 311名(男性 72.7%・女性 27.3%)
- 調査時期
- 2026年7月
- 調査方法
- インターネットリサーチ
SECTION 01情報収集の「流れ」は検索エンジンから始まる人が約半数
最も多い情報収集の流れを尋ねたところ、検索エンジンを起点にする人が合計46.0%と約半数を占めました。一方で、AIを最初に使う人も合計22.5%にのぼっており、AIファーストの行動パターンも着実に広がっています。
依然として「まず検索」が最大勢力。
最も多かったのは「検索エンジン→AI→SNS」の25.1%。まずGoogle等で網羅的に調べ、AIで比較・整理し、最後にSNSで口コミを確認する──という段階的な行動が見て取れます。一方で「決まっていない」も20.6%を占めており、約5人に1人は状況に応じて柔軟に使い分けていることがわかります。
SECTION 02ツール別に見る「使う目的」の違い
検索エンジン・AI・SNSのそれぞれをどのような目的で使うかを聞いたところ、3つのツールには明確な”役割分担”が存在することが判明しました。
■ 検索エンジン ─ 「網羅的な情報収集」がダントツ
検索エンジンは「情報収集(網羅的に知る)」が40.5%と突出しています。まず広く情報を集める”入り口”として使われていることが明確です。次いで口コミ確認が19.0%と、レビューサイトや比較サイトへの入口としても重宝されています。
■ AI検索 ─ 「比較・整理」に圧倒的な強み
AI検索の特徴は、「情報収集」(28.0%)と「比較・整理」(27.7%)がほぼ同率で並んでいること。検索エンジンでは「比較・整理」は13.5%にとどまりましたが、AIでは約2倍の27.7%に跳ね上がります。AIは「調べた情報を整理・要約してもらう」ツールとして独自のポジションを確立しつつあります。
■ SNS ─ 「口コミ・評判確認」と「雰囲気の確認」が高い
SNSでは「口コミ・評判確認」が28.6%でトップ。検索エンジン(19.0%)やAI(12.9%)と比べて突出して高く、生の声を求める場として活用されています。また「雰囲気の確認」も13.5%と、写真や動画で実際の使用感を確かめたいニーズの受け皿になっています。
──3つのツールは購買プロセスの”別の工程”を担っている
SECTION 033ツールの役割を比較する
検索エンジン・AI・SNSの利用目的を横並びで見ると、各ツールの”得意領域”がより鮮明になります。
この比較グラフから、それぞれの得意領域がはっきり見えます。
まず広く調べるための「入り口」。網羅的な情報収集で圧倒的に強い。
集めた情報を要約・比較してもらう「相談役」。検索の2倍以上の利用率。
実際のユーザーの声を確認する「最後の一押し」。生の感想が決め手に。
注目すべきは「最終判断の補強」です。検索エンジン13.2%、AI14.2%、SNS12.9%と3ツールでほぼ均等に分散しています。つまり、最終的な購入判断の段階では消費者は1つのツールに依存せず、状況に応じて使い分けているということです。
SECTION 04クロス集計で見える「フロー別」の行動パターン
情報収集の流れ(Q1)ごとに、各ツールの利用目的をクロス集計すると、フローの違いによって行動の”質”が異なることがわかります。
■ AI起点ユーザーは「比較・整理」志向が強い
「SNS→AI→検索」フローのユーザーが42.9%と最も高く、SNSで気になった商品をAIに投げて比較してもらう行動が見られます。次いで「検索→AI→SNS」が39.7%と続き、AIを2番目に使う層ほど「比較・整理」目的が高い傾向が確認できました。
■ SNS起点ユーザーは「口コミ確認」へ一直線
「SNS→AI→検索」のフローでは、SNSでの口コミ確認率が64.3%と突出して高いのが特徴です。まずSNSで口コミを収集し、AIで整理、検索で裏取りする──という、口コミドリブンな購買行動が鮮明に浮かび上がります。
SECTION 05回答者のプロフィールと「決まっていない」層の特徴
今回の調査回答者は20〜59歳、男性72.7%・女性27.3%の311名。年齢分布は25〜54歳に分散しており、働く世代の幅広い層をカバーしています。
居住エリアは南関東24.8%、近畿15.4%、北関東・甲信13.8%と都市部が多く、職業は会社員・団体職員が58.5%を占めます。世帯年収400〜800万円のボリュームゾーンで45.7%を占める、まさに日本の消費の中核を担う層です。
■ 「決まっていない」層は情報収集特化
「特に決まっていない/その都度変わる」と回答した64名のうち、検索エンジンの利用目的を「情報収集」とした人が59.4%にのぼりました。これは全体平均の40.5%を大きく上回っており、まだ”型”が定まっていない段階──つまり購買検討の初期段階にいるユーザーが多い可能性を示唆しています。
「情報収集」目的で使う割合(全体平均40.5%)
SECTION 06マーケティングへの示唆
今回の調査結果から、企業が取るべきアクションは明確です。消費者は1つのツールだけで購買を完結させていない以上、マルチチャネルでのタッチポイント設計が不可欠になります。
- 検索エンジン対策(SEO):最初の接点になる確率が最も高い(46.0%が検索起点)。網羅的で信頼性の高い情報ページを整備する。
- AI検索への最適化(AIO/GEO):AIが「比較・整理」に使われる(27.7%)以上、AIに引用されやすい構造化コンテンツが重要。
- SNS上のUGC促進:口コミ確認でSNSが最も強い(28.6%)。購入者レビューの投稿を促す仕組みが必要。
- フロー別のコンテンツ設計:起点がどこかで「求める情報の質」が変わる。流入元ごとにLPの訴求内容を変える施策が有効。
まとめ ─ 消費者は3ツールを”工程別”に使い分けている
本調査により、商品購入前の情報収集において検索エンジン=網羅的に知る、AI=比較・整理する、SNS=口コミを確認するという明確な役割分担が存在することが確認されました。
約半数が検索エンジン起点でありながら、AI起点も22.5%に成長。今後AI活用層がさらに増加することを見越して、SEO・AIO・SNSの三位一体で消費者の購買ジャーニーを設計することが求められます。
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