「AIが自社を間違って説明する」を直す方法|ChatGPT・AI検索の誤情報チェックと訂正の実務ガイド

AIの回答パネルと、その回答の参照元となった資料カードを線で結んだ概念図。回答側には誤りを示す警告マーク、参照元カードの1枚には修正を示す鉛筆マークが付いており、訂正すべき対象がAIではなく参照元であることを表している。

ChatGPTに自社名を入力したら、何年も前に引き払った住所が返ってきた。Googleで社名を検索したら「AIによる概要」が、やっていないサービスをやっていることにしている。地図上ではなぜか「閉業」になっている——。こうした「AIが自社を間違って説明する」現象は、放置すると問い合わせの取りこぼしに直結します。

最初に結論を書きます。AIのチャット画面で「それは間違いです」と伝えても、この問題は直りません。AIは自社サイトや外部サイトなどWeb上の参照元をかき集めて、その場で回答を組み立てているからです。修正すべきは「AIの中」ではなく「AIが見ている参照元」です。

この記事では、誤情報が発生する仕組みを3つの層に切り分けたうえで、①いま何を間違えられているかを測る棚卸しの手順、②媒体ごとの具体的な訂正手順、③再発させない運用、を順に説明します。公式ドキュメントで確認できた事実のみを扱い、確認できなかった点は「未確認」と明記しています。参照した一次情報は記事末尾の出典にまとめました。

この記事の要点

  • AIに直接訂正を頼んでも直らない。AIは参照元をもとに回答を組み立てるため、直すのは参照元の側。
  • 原因は「自社が管理できる情報源」「他社が管理する情報源」「AI側の生成エラー」の3層に分かれ、層ごとに打ち手が違う。
  • 対策の前に棚卸しをする。主要AIに同じ質問を投げ、回答と引用元URLを記録する。実務で止まりやすいのは、直す作業そのものより、原因がどの層にあるかの切り分け。
  • 訂正の反映時期を保証する公式な記載はない。継続的な確認と、表記の統一を前提とした運用が必要。
目次

なぜAIは自社の情報を間違えるのか?

生成AIは、自社サイトを「正解の台帳」として参照しているわけではありません。Web上に散らばった複数の記述を集め、その場で文章を組み立てています。したがって、どこか1か所に古い記述が残っているだけで、それが回答に混ざり込みます。

ChatGPTが何を見ているか——クローラーは用途ごとに分かれている

OpenAIは、目的の異なる複数のクローラーを運用しています。公式ドキュメントには次のように記載されています[1]

クローラー名 公式に記載された用途 robots.txt の扱い
OAI-SearchBot ChatGPTの検索機能で、ウェブサイトを検索結果に表示するために使用(used to surface websites in search results in ChatGPT’s search features) 「OAI-SearchBotをオプトアウトしたサイトは、ChatGPTの検索回答に表示されない」と明記(ナビゲーション用リンクとしては表示されうる)
GPTBot 生成AIの基盤モデルをより有用かつ安全にするために使用 「GPTBotを拒否することは、そのサイトのコンテンツを基盤モデルの学習に使用すべきでないことを示す」
ChatGPT-User ChatGPTやCustom GPTでのユーザー操作を起点としたアクセス 「ユーザーが起点となる操作のため、robots.txt のルールが適用されない場合がある」

ここに、学習の拒否と検索表示の拒否を混同するという落とし穴があります。「AIに学習されたくない」という理由で GPTBot と一緒に OAI-SearchBot まで拒否していると、誤情報が消えるどころか、自社の正しい情報をChatGPTの検索回答に載せる経路そのものを塞いでいることになります。誤情報に気づいたら、まず自社の robots.txt を確認してください。

GPTBotとOAI-SearchBotの役割の違い GPTBotは学習用で、拒否しても検索での表示には影響しない。OAI-SearchBotは検索表示用で、拒否するとChatGPTの検索回答に表示されなくなる。 GPTBot(学習用) 拒否 = 基盤モデルの学習に使わせない 検索での表示には影響しない OAI-SearchBot(検索表示用) 拒否 = ChatGPTの検索回答に表示されない ▶ 誤情報が消えるのではなく、   正しい情報を届ける経路が塞がれる
図1:学習の拒否と検索表示の拒否は別物。まとめて拒否すると逆効果になる。

なお、ChatGPTの検索は単一の検索エンジンだけで成り立っているわけではありません。OpenAIは外部(サードパーティ)の検索プロバイダから提供される情報も組み合わせており、その提供元は1社に限らず、構成も時期によって変わりえます[12]。特定の検索エンジン1社を前提に対策を組み立てるのは避け、自社サイトの情報整備そのものを土台に置くほうが安全です。

Googleの「AIによる概要」「AIモード」は検索インデックスが土台

Google検索セントラルの公式ガイドは、生成AI機能に表示される前提条件をこう述べています。「Google検索の生成AI機能に表示される資格を得るには、ページがインデックスに登録され、スニペット付きでGoogle検索に表示される資格を持っている必要がある」。さらに「生成AI検索に構造化データは必須ではなく、追加すべき特別なschema.orgマークアップもない」とも明記されています[2]

つまり、AIによる概要に出てくる自社の記述は、通常のGoogle検索で拾われている情報の延長線上にあります。裏を返せば、検索結果に古い情報が残っている限り、AIの回答にもそれが出続けます。

AIに「間違っています」と伝えても直らないのはなぜ?

チャット画面で「その住所は古いです。正しくは○○です」と伝えると、AIはその会話の中では訂正した回答を返します。しかしそれはその会話セッションの中だけの出来事です。別のユーザーが、別の端末で、同じ質問をすれば、元の誤った回答が返ってきます。

各サービスが用意しているフィードバック導線も、即時の訂正窓口ではありません。Google検索ヘルプは、AIによる概要のフィードバックについて「お寄せいただいたフィードバックはAIによる概要機能の改良に活用させていただきます」と説明しており、送信した内容がその場で修正されるとは書かれていません。同ヘルプは「生成AIは……不正確な情報や不適切な情報を提供することがあります。つまり、AIによる概要が常に正しいとは限りません」とも記載しています[3]

報告する意味がないわけではありません。ただし報告は「補助的な手段」であり、本命は参照元の修正だと理解しておく必要があります。ここを取り違えると、何週間もフィードバックボタンを押し続けて何も変わらない、という時間の使い方になります。

誤情報の原因は3つの層に分かれる

誤情報は、どこに原因があるかによって打ち手がまったく変わります。次の3層に切り分けて考えると、無駄な作業を減らせます。

誤情報の原因となる3つの層 第1層は自社が管理できる情報源で自分で直せる。第2層は他社が管理する情報源で依頼が必要。第3層はAI側の生成エラーで報告のみ。 第1層|自社が管理できる情報源 自社サイト・Googleビジネスプロフィール 公式SNS・自社発行のプレスリリース ▶ 自分で直せる。最優先で着手する 第2層|他社が管理する情報源 業界ポータル・地図や口コミサイト ニュース記事・転載された古い情報 ▶ 運営者へ依頼。自社では完結しない 第3層|AI側の生成エラー どの参照元にも書かれていない記述 (純粋なハルシネーション) ▶ 各サービスへ報告。時期の保証なし
図2:どの層に原因があるかで打ち手が変わる。上ほど自分で直せる。
情報源の例 主な打ち手 反映までの見通し
第1層
自社が管理できる情報源
自社サイト、Googleビジネスプロフィール、公式SNS、自社発行のプレスリリース 自分で直せる。最優先で着手する 編集は即日可能。ただしAI側の回答に反映されるまでの期間は各社とも明示していない
第2層
他社が管理する情報源
業界ポータル、地図・口コミサイト、ニュース記事、配信済みの古いプレスリリース、まとめ記事 運営者へ修正依頼。応じない場合は検索側のツールで対処 相手の対応次第。自社ではコントロールできない
第3層
AI側の生成エラー
どの参照元にも書かれていない記述(純粋なハルシネーション) 各サービスへ報告。並行して、正しい情報を明示したページを用意する 訂正時期の保証なし

第1層と第3層を取り違えない

実務で最も多いのは、第3層(ハルシネーション)だと思い込んでいたものが、実は第1層または第2層だったというケースです。「AIが勝手に作った嘘だ」と判断する前に、その記述の出どころが本当にWeb上に存在しないかを確認してください。確認方法は次章の棚卸し手順で説明します。

「引用されるための施策」とは目的が違う

AIに引用・推薦されるための施策(いわゆるLLMO/GEO)は、この記事が扱う「すでに間違って引用されている状態の修復」とは目的が異なります。獲得側の考え方はLLMOとは何か──SEOとの違いと基本戦略で詳しく解説しているので、修復が一段落したらそちらを参照してください。

まず現状を測る|AI誤情報の棚卸し手順

対策の前に、いま何をどう間違えられているのかを記録します。感覚で「なんか変なことを言われた気がする」という状態では、直ったかどうかも判定できません。

AI誤情報の棚卸し4ステップ 質問リストを作る、複数のAIに投げて記録する、誤りを分類する、引用元をたどって管理者を特定する、の4段階。 1 質問リストを作る 見込み客が使う聞き方で10問前後 2 複数のAIに投げて記録する 引用元URLを必ず控える 3 誤りを分類する 「古い情報」と「事実無根」を分ける 4 引用元をたどり管理者を特定 ここで第1層・第2層・第3層に振り分ける
図3:対策の前に「いま何を間違えられているか」を記録する4ステップ。

ステップ1|質問リストを作る

実際に見込み客が使いそうな聞き方で、10問前後を用意します。以下はそのまま使えるテンプレートです。〈 〉を自社の情報に置き換えてください。

  • 〈会社名〉はどんな会社ですか?
  • 〈会社名〉の本社所在地と電話番号を教えてください
  • 〈会社名〉は現在も営業していますか?
  • 〈会社名〉の代表者は誰ですか?
  • 〈会社名〉の〈サービス名〉はどんなサービスですか?料金は?
  • 〈会社名〉の営業時間と定休日を教えてください
  • 〈会社名〉の評判・口コミを教えてください
  • 〈地域〉で〈業種〉を頼むならどこがおすすめですか?
  • 〈会社名〉と〈競合名〉の違いは何ですか?
  • 〈会社名〉は〈やっていない事業〉をやっていますか?

最後の「やっていない事業」を聞く質問は、誤った肯定(していないことを「している」と答える)を炙り出すために入れています。

ステップ2|複数のAIに同じ質問を投げ、回答を記録する

1つのサービスだけで判断しないでください。ChatGPT、Google の AIによる概要 / AIモード、Gemini、Perplexity など、実際に見込み客が使う経路をそれぞれ確認します。記録するのは次の項目です。

  • 実行日時/使用したサービス名
  • 入力した質問文(一言一句そのまま)
  • 回答の全文(スクリーンショットも残す)
  • 回答に表示された引用元URL

引用元URLは必ず控えてください。これが誤情報の発生源を特定する唯一の手がかりです。ログインしていない状態・シークレットウィンドウでも実行し、パーソナライズの影響を切り分けます。

ステップ3|誤りを分類する

「間違い」と一括りにせず、性質ごとに分けます。分類の粒度を細かくするほど、打ち手が具体的になります。参考までに、株式会社CINCが2026年6月4日に発表した「AI誤情報チェック機能」では、ChatGPT・Gemini・Perplexity・AI Mode・AI Overviewsの5サービスに質問を一斉送信し、回答を「正確・鮮度混在・文脈ズレ・不完全・不正確・ハルシネーション・情報なし」の7段階で自動判定し、引用URLとあわせて表示するとされています[4]。手作業で分類する場合も、この程度の粒度を目安にすると整理しやすくなります。

特に「鮮度混在(かつては正しかったが今は古い)」と「ハルシネーション(そもそも事実無根)」を分けることが重要です。前者は参照元に実物があるので消せますが、後者は消す対象が存在しません。

ステップ4|引用元URLをたどって管理者を特定する

記録した引用元URLを1つずつ開き、そのページの管理者が自社か他社かを判定します。ここで第1層・第2層・第3層への振り分けが完了します。引用元が示されていない、またはたどっても該当記述が見つからない場合に限り、第3層(生成エラー)として扱ってください。

ここまでを自社で完走できれば、第1層の修正はすぐに着手できます。実務で止まりやすいのは、引用元をたどっても該当する記述が見つからない場合と、古い記述が複数のサイトに散っていて着手順が決められない場合です。このどちらかに当たったときは、第3層と決めつける前に一度立ち止まってください。

媒体別・誤情報の直し方

着手順は業態によって変わります。店舗・事業所を持つ場合はGoogleビジネスプロフィール、拠点が1つのBtoB企業は自社サイトの会社概要、移転や社名変更の直後であれば他社サイトに残った古い記述から確認すると効率的です。

自社サイト(第1層)|「事実ページ」を1枚用意する

会社概要ページを、AIが読んでも曖昧さが残らない形に整えます。ポイントは、正しい値を1か所に集約し、サイト内の表記を統一することです。

会社概要ページで整えるべき点は、次の3つです。

  • 社名・所在地・電話番号の表記を全ページで統一する。「株式会社○○」と「(株)○○」、旧住所と新住所が混在していると、AI側は別々の情報として扱いかねません。
  • 古い情報が残っているページを洗い出して修正する。下書き・非公開記事、LP、PDF、フッターのテンプレートは見落としがちです。
  • Organization構造化データを整備する。Googleは、Organization構造化データについて「組織の管理上の詳細をGoogleがより適切に理解し、検索結果において組織を明確に識別(disambiguate)するのに役立つ」と説明しています。url は「組織を一意に識別するのに役立つ」、sameAs は「組織に関する追加情報が掲載された他サイトのページのURL」と定義されています[5]。schema.org側の sameAs の定義も「そのアイテムの同一性を明確に示す参照ウェブページのURL」です[6]。公式SNSやWikidataなど、自社であることが確実な外部プロフィールを結び付けます。

ただし前述のとおり、Googleは「生成AI検索に構造化データは必須ではない」とも明記しています[2]。構造化データはエンティティの取り違えを減らすための整理であって、誤情報を消す魔法ではないと捉えてください。マークアップの基本は構造化データとSEOで解説しています。

参考までに、当社の場合は次の値を正としてサイト全体で統一しています。

  • 株式会社ナレッジホールディングス
  • 本社:〒108-0075 東京都港区港南4-2-7 シティタワー品川2418号室
  • LLMO対策本部:愛知県名古屋市中区栄3-12-6-815
  • TEL:03-6869-0924(平日9:00〜17:00)
  • 代表取締役CEO:道川内知/設立:2025年

また、AIクローラー向けの案内ファイルとして llms.txt を設置する方法もあります(効果は限定的です。詳細はllms.txtとはを参照)。

Googleビジネスプロフィール(第1層)|「閉業」表示を戻す

店舗・事業所を持つ企業で被害が大きいのが、地図上の「閉業」表示です。地図やローカル検索で表示される自社情報の起点がここにあるため、誤った状態を放置すると、地域を絡めた検索の入口で不利になります。

オーナー確認済みの場合、Googleビジネスプロフィールヘルプに記載された手順は次のとおりです[7]

  1. ビジネスプロフィールに移動する
  2. [プロフィールを編集]→[営業時間]を選択する
  3. [営業時間]の横にある編集アイコンから[決まった営業時間で営業している]を選択する
  4. 営業日のチェックボックスをオンにし、プルダウンで営業時間を設定する
  5. [保存]をクリックする

注意点として、同ヘルプは「所在地や名称の変更に伴い閉業マークが付けられたビジネス情報は、営業中に再設定することはできません。代わりに、新しいビジネス情報を追加してください」と明記しています[7]。移転を機に閉業扱いになったケースでは、復活ではなく新規登録が必要です。

オーナー確認をしていない場合は、第三者としての修正提案が可能です。Googleヘルプは「他のユーザーが所有または管理しているビジネスプロフィールの誤りを見つけた場合は、編集を提案できます」と案内しています[8]。ただし、提案がそのまま反映されるとは限りません。自社で確実に管理したい場合は、オーナー権限の取得を進めるのが本筋です。地図領域の最適化についてはMEOからGEOへ|GoogleマップとAI検索の最適化で扱っています。

他社サイト・ポータル(第2層)|依頼と、依頼が通らない場合の手段

まず運営者に修正を依頼します。依頼メールには、①該当URL、②誤っている記述の該当箇所(引用)、③正しい情報、④正しいことを裏付ける自社の公式ページURL、を必ず含めます。裏付けURLがないと、相手側も直しようがありません。

相手がすでに閉鎖しているサイトや、ページ自体は消えているのに検索結果に古い内容が残っている場合は、Google Search Consoleの「古いコンテンツの更新ツール」が使えます。ヘルプによれば、このツールは「Googleによって示されるウェブページを所有していない」かつ「ページや画像がすでに存在していない、または現在のページや画像と大幅に異なる」場合に使用します。結果は次のように説明されています[9]

  • 「ページが利用できなくなった場合は、そのページは検索結果に表示されなくなります」
  • 「そのページが変更されたのみでまだ利用可能である場合は、スニペットは検索結果から削除されますが、Googleのクローラーが次回そのページにアクセスしたときに更新されます」

逆に言えば、削除したい情報がまだそのページに残っている場合には使えません。先に運営者に消してもらうのが順序です。

AI各サービスへの報告(第3層)

参照元をたどっても出どころが見つからない記述については、各サービスのフィードバック導線から報告します。

  • Google AIによる概要:Google検索ヘルプの記載では、「概要が役に立たない、不正確である、バイアスが内在する、またはその他の問題があると思われる場合は、低評価アイコンをクリック」し、詳細を伝える場合は「[問題を報告]をクリックして、問題の内容に最も当てはまるカテゴリを選択」してテキストを入力し送信します[3]
  • Gemini:Geminiアプリヘルプによれば、回答の下にある「良い回答」/「悪い回答」アイコンを選択し、理由の選択や追加フィードバックの入力ができます[10]
  • Perplexity:回答下部のフラグアイコンから誤りを報告できます[13]

いずれも、送信すれば直るという保証はありません。報告は記録を残す行為であり、実際に効くのは参照元の修正という位置づけを崩さないでください。

訂正はどれくらいで反映されるのか?

結論から言えば、反映までの日数を明示している公式情報は確認できていません。「1週間で直ります」と断言する情報を見かけたら、根拠を疑ってください。

ただし、反映の条件そのものは公開されています。Google検索セントラルは、生成AI機能に表示される前提として「ページがインデックスに登録され、スニペット付きでGoogle検索に表示される資格を持っていること」を挙げています[2]。したがって、少なくとも次の順序を経ることになります。

  1. 参照元ページを修正する
  2. クローラーが再訪問し、修正後の内容を取得する
  3. インデックスが更新される
  4. AI機能が新しい内容を参照して回答を生成する

この4段階のうち、自社がコントロールできるのは1だけです。だからこそ、修正後は放置せず、ステップ2で作った質問リストで定期的に再測定して確認する必要があります。

なお、2〜4は自動的に進みますが、最初の1(参照元の修正)だけは待っていても起きません。参照元が古いままであれば、AIの回答も古いまま生成され続けます。冒頭で触れた問い合わせの取りこぼしは、その間ずっと発生し続けることになります。

誤情報を再発させないための運用

表記を1つに固定する

社名・住所・電話番号(いわゆるNAP情報)の表記ゆれは、誤情報の温床です。表記の正本を社内で1つ決め、自社サイト、Googleビジネスプロフィール、各種ポータル、SNSプロフィール、名刺、プレスリリースのテンプレートまで揃えます。移転や社名変更のときは、この一覧をチェックリストとして使います。

変更履歴を公開しておく

移転や事業終了は、公式ページに日付付きでお知らせとして残します。「いつ何が変わったか」がWeb上に明示されていると、AIが新旧を取り違える余地が減ります。逆に、旧情報のページを黙って削除すると、他サイトに転載された古い記述だけが残る事態になりかねません。

定期的に測る

棚卸しは一度で終わりません。四半期ごと、あるいは移転・改名・新サービス開始といった変化のタイミングで、同じ質問リストを再実行して差分を見ます。

あわせて、Google Search Consoleでは2026年6月に生成AI機能向けのパフォーマンスレポートが案内されており、AIによる概要やAIモードなどの生成AI機能における表示回数(インプレッション)を、ページ・国・デバイス・期間別に確認できるとされています。ただし公式には「一部のウェブサイトを対象に段階的に提供」とされており、すべてのサイトで見られるとは限りません[11]

指名検索の動きを見る

誤情報の是正は、質問リストの再実行だけでなく、社名での検索の動きとあわせて見ると変化を掴みやすくなります。ただし指名検索は広報・広告など他の要因でも動くため、単独で修正の成否を判定できる指標ではありません。質問リストの再測定を主、こちらを補助として扱ってください。指名検索の見方はブランド検索が最重要指標である理由で、AIが「誰の情報か」をどう見ているかはAIモードで「誰が書いたか」が問われる理由で解説しています。

よくある質問(FAQ)

AIに「その情報は間違いです」と直接伝えれば直りますか?

直りません。その会話の中では訂正された回答が返りますが、別のユーザーが同じ質問をすれば元の誤った回答が返ります。AIはWeb上の参照元をもとにその都度回答を組み立てているため、修正すべきは参照元の側です。各サービスのフィードバック導線も、Google検索ヘルプの記載では「AIによる概要機能の改良に活用させていただきます」とされており、即時訂正の窓口ではありません。

自社サイトを直せば、ChatGPTやAIによる概要の回答もすぐ変わりますか?

すぐには変わりません。Google検索セントラルは、生成AI機能に表示される前提として「ページがインデックスに登録され、スニペット付きで検索に表示される資格を持っていること」を挙げています。修正 → 再クロール → インデックス更新 → AIの回答に反映、という段階を経るためです。反映までの日数を明示した公式情報は確認できていないため、修正後は同じ質問を定期的に投げ直して確認してください。

robots.txtでAIのクローラーを拒否すれば、誤情報も表示されなくなりますか?

逆効果になる可能性があります。OpenAIの公式ドキュメントは、検索表示用のOAI-SearchBotについて「オプトアウトしたサイトはChatGPTの検索回答に表示されない(ただしナビゲーション用のリンクとしては表示されうる)」と記載しています。拒否すると、誤情報が消えるのではなく、自社の正しい情報を検索回答に載せる経路が塞がれます。学習用のGPTBotとは役割が別なので、まとめて拒否していないか確認してください。

他社のサイトに古い情報が載っている場合、こちらから消せますか?

直接は消せません。まず運営者に修正を依頼します。ページ自体が削除済み、または内容が大きく変わっているのに検索結果に古い内容が残っている場合は、Google Search Consoleの「古いコンテンツの更新ツール」が使えます。ヘルプによれば、自分が所有していないページで、かつ「ページや画像がすでに存在していない、または現在のページや画像と大幅に異なる」場合が対象です。誤情報がまだそのページに掲載されている状態では使えません。

Googleマップで誤って「閉業」になっています。どう戻せばよいですか?

オーナー確認済みなら、ビジネスプロフィールの[プロフィールを編集]→[営業時間]から[決まった営業時間で営業している]を選び、営業日と営業時間を設定して保存します。ただしGoogleヘルプは「所在地や名称の変更に伴い閉業マークが付けられたビジネス情報は、営業中に再設定することはできません。代わりに、新しいビジネス情報を追加してください」と記載しており、移転が原因の場合は新規登録が必要です。オーナー確認をしていない場合は、まず権限の取得を進めてください。

まとめ|次にやること

AIが自社を間違って説明している状態は、「AIの不具合」ではなく「Web上に置かれた情報の不整合」が表面化したものです。順序としては、次の3つです。

  1. 測る:質問リストを作り、複数のAIに同じ質問を投げ、回答と引用元URLを記録する
  2. 切り分ける:引用元をたどり、自社が管理できる情報源/他社の情報源/生成エラーの3層に振り分ける
  3. 直す:自社サイトとGoogleビジネスプロフィールから着手し、他社分は依頼、残りは各サービスへ報告する

難しいのは3ではなく2です。引用元をたどっても出どころがはっきりしない、複数の古い記述が絡み合って手を付ける順番が決められない——この段階で止まる企業が少なくありません。

参照元が古いままである間、取りこぼしは続きます。株式会社ナレッジホールディングスは、AI検索(LLMO)・MEO・SEO対策を専門に扱う会社です。どの層に原因があるのか、どこから直すべきかの切り分けで迷われている場合は、オンラインまたは電話での無料相談をご利用ください。

ご相談の際、ステップ1〜2で記録した質問文・回答・引用元URLがお手元にあれば、どこから手を付けるべきかの話をそのまま始められます。記録がまだない場合も、何をどう測るかの整理からで構いません。

出典

本文中の引用・参照は、以下の一次情報にもとづいています(最終確認:2026年8月7日)。

  1. OpenAI|Bots(クローラー仕様)
  2. Google検索セントラル|生成AI機能の最適化ガイド
  3. Google検索ヘルプ|AIによる概要
  4. 株式会社CINC|AI誤情報チェック機能(2026年6月4日)
  5. Google検索セントラル|Organization構造化データ
  6. schema.org|sameAs
  7. Googleビジネスプロフィールヘルプ|ビジネス情報を営業中に再設定する
  8. Googleビジネスプロフィールヘルプ|ビジネスプロフィールを編集する
  9. Google Search Consoleヘルプ|古いコンテンツの更新ツール
  10. Geminiアプリヘルプ|フィードバックを送信する
  11. Google検索セントラルブログ|生成AI機能のパフォーマンスレポート
  12. OpenAI Help Center|ChatGPT Search
  13. Perplexity Help Center|How can I report incorrect or inaccurate answers?

[12][13] は本文で逐語引用を行っていません(一次情報の所在として掲げるものです)。

この記事を書いた人

道川内知のアバター 道川内知 代表取締役

株式会社ナレッジホールディングス 代表取締役CEO。19歳で起業し、通信・福祉・不動産・飲食など多業種の経営を経験。AIマーケティング支援「cofucoma」を立ち上げ、わずか8か月で月商54倍を達成、400社以上を支援。現在はAI×DX×SNS×補助金を組み合わせた独自システム「AXiY」で、全国の経営者の集客課題をワンストップで解決。DXマーケター/AXiY開発者/連続起業家。

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