
「SEOのキーワード選定」と聞くと、検索ボリュームの多い単語を探す作業だとイメージする方も多いのではないでしょうか。しかし2026年現在、Googleの検索結果にはAI Overview(AI による概要)が当たり前のように表示されるようになり、キーワード選定のあり方そのものが変わりつつあります。
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※AI Overviewの表示率は、調査主体・対象国・調査時期・クエリの種類によって数値が大きく異なります。本記事では出典と時点を明記したうえで引用しています。
本記事では、こうしたAI検索時代を前提に、「勝てるキーワード」の選び方を8つのステップで解説します。経営者の方は自社の集客戦略に、Web担当者の方は日々の実務に、店舗オーナーの方は地域集客に、それぞれ活かせる内容です。
- ・SEOキーワード選定とは「どの検索キーワードで評価されたいか」を意思決定する工程。タイトルも見出しも本文構成もこの選定結果をもとに設計されるため、単語の検索ボリュームを探す作業ではなく、検索意図まで踏み込んで決める工程になる。
- ・AI OverviewはGoogle検索クエリの48%に表示(2026年2月/1年前は約30%)。Pew Research Centerの調査では、AI Overviewが出た検索で検索結果リンクがクリックされた割合は8%で、出なかった検索の15%の約半分だった。
- ・AI Overviewに引用されたソースのうち、オーガニック上位10位以内に入っているのは17%だけ。順位対策とAI引用対策は別物として設計する必要がある。
- ・実務手順は8ステップ。中小企業・店舗は競合の少ないロングテールから着手し、Know・Do・Buy・Goで検索意図を仕分ける。避けるべき失敗は「詰め込みすぎ」「カニバリゼーション」「検索ボリュームだけで判断」の3つ。
SECTION 01SEOキーワード選定とは?なぜ今、重要性が増しているのか
■ SEOキーワード選定とは
SEOキーワード選定とは、自社サイトが検索エンジンで上位表示を目指すにあたり、「どの検索キーワードで評価されたいか」を意思決定する工程です。記事タイトルや見出し、本文の構成はすべてこの選定結果をもとに設計されるため、SEOの土台となる最も重要な工程だといえます。
選定を誤ると、いくら質の高い記事を書いても「検索されない単語」で戦うことになり、時間と労力が成果につながりません。逆に自社の強みと検索ニーズが重なるキーワードを見つけられれば、少ない記事数でも着実に流入とコンバージョンを積み上げられます。
■ 「単語」ではなく「検索意図」を考える時代へ
かつてのSEOは、キーワードという「文字列」をいかにページに含めるかが重視されていました。しかし現在のGoogleは、検索クエリ(ユーザーが実際に入力する検索語句)の背後にある検索意図、つまり「そのユーザーが本当に知りたいこと・したいこと」を理解した上で検索結果を組み立てています。
そのため2026年のキーワード選定では、単語単体の検索ボリュームだけでなく、「そのキーワードで検索する人は、どんな状況で、何を解決したいのか」まで踏み込んで考える必要があります。
■ AI検索(AI Overview)がキーワード選定へ与える影響
先述の通り、Googleの検索結果の約半数近くに AI Overview が表示される時代になりました。米Pew Research Centerが2025年3月の実際の検索行動(約6.9万件の検索)を調査した結果でも、この変化の大きさが裏付けられています。
■ Pew Research Center調査の概要
- 調査主体
- Pew Research Center(米国)
- 対象
- 米国成人900名の実際のブラウジング行動データ
- 調査規模
- Google検索68,879件(うちAI Overview表示は約18%)
- 実施時期
- 2025年3月の検索行動を、2025年4月7〜17日に収集・分析
- 公表
- 2025年7月22日
この調査によれば、AI Overviewが表示された検索では通常の検索結果リンクがクリックされた割合が8%にとどまり、AI Overviewが表示されない検索の15%と比べて約半分でした。さらに、AI Overview内に引用されたリンク自体がクリックされる割合はわずか1%です。つまり、AIに引用される記事を作ること自体の価値は残る一方で、単純な「検索順位1位」だけを目指す戦略では流入が減りやすい構造になっているのです。
SECTION 02キーワードの種類と分類
■ 検索ボリュームによる分類
キーワードは月間の検索ボリューム(検索される回数)によって、大きく3つに分類されます。
- ビッグキーワード:「SEO」「税理士」のような単一の単語で、月間検索ボリュームが非常に多いキーワード。競合が強く、上位表示の難易度が高い。
- ミドルキーワード:2語程度の組み合わせで構成される、中程度の検索ボリュームを持つキーワード。ビッグキーワードよりも意図が絞られる。
- ロングテールキーワード:3語以上で構成される具体的なキーワード。個々の検索ボリュームは少ないが、検索意図が明確でコンバージョンにつながりやすい。
中小企業や店舗が限られたリソースでSEOに取り組む場合、まずは競合の少ないロングテールキーワードから着手し、実績とドメインの評価を積み上げてからミドル・ビッグキーワードへ挑戦する進め方が現実的です。
■ 検索意図(Know・Do・Buy・Go)の理解
検索キーワードは、ユーザーの目的別に次の4種類に分類できます。
| 分類 | ユーザーの目的 | キーワード例 |
|---|---|---|
| Knowクエリ | 知りたい・調べたい | 「売上原価率 とは」 |
| Doクエリ | やり方を知りたい・行動したい | 「確定申告 やり方」 |
| Buyクエリ | 購入・契約したい | 「税理士 顧問契約 費用」 |
| Goクエリ | 特定の場所・店舗に行きたい | 「渋谷 税理士事務所」 |
自社のコンテンツがどの検索意図に応えるものかを明確にすることで、記事の構成やCTA(行動喚起)の設計がぶれなくなります。
■ MEOにつながるGoクエリとは
「地域名+サービス名」のようなGoクエリは、MEO(マップエンジン最適化)と密接に関わります。実店舗を持つ事業者にとっては、Googleビジネスプロフィールの最適化とあわせて対策することで、地図上の検索結果にも表示されやすくなり、来店につながる集客が期待できます。
SECTION 03SEOキーワード選定はどう進める?【8ステップ】
ここからは、実務で使えるキーワード選定の手順を8つのステップに分けて解説します。
■ STEP1:サイトの目的とターゲットを明確にする
キーワードを探し始める前に、「誰に」「何を伝え」「どんな行動をしてほしいのか」を言語化します。ターゲットが曖昧なままだと、集客はできても成約につながらないキーワードを選んでしまいがちです。
■ STEP2:メインキーワードを決める
自社の事業やサービスを象徴する軸となるキーワードを1〜2語で決めます。これが後続のステップで関連キーワードを広げる際の起点になります。
■ STEP3:関連キーワードを洗い出す
メインキーワードに対して、実際にユーザーがどんな言葉と組み合わせて検索しているかを洗い出します。サジェストツールや共起語ツールを使うと効率的です。
■ STEP4:検索ボリューム・競合性を調査する
洗い出したキーワード候補について、月間検索ボリュームと競合の強さ(上位表示している競合サイトのドメインパワーやコンテンツの充実度)を調べ、狙う価値があるかを判断します。
■ STEP5:上位表示サイトを分析する
実際にそのキーワードで検索し、上位10サイトがどんな切り口・構成で記事を書いているかを分析します。ここで見えた「共通して書かれている内容」は網羅すべき要素、「書かれていない視点」は差別化のチャンスです。
■ STEP6:検索意図ごとにキーワードを整理する
洗い出したキーワードをKnow・Do・Buy・Goの検索意図別にグルーピングします。同じ検索意図のキーワードは1つの記事にまとめられる場合が多く、逆に意図が異なるキーワードを無理に1記事に詰め込むと内容がぼやけてしまいます。
■ STEP7:自社ならではの一次情報を盛り込めるか確認する
競合と同じ内容の焼き直しでは、AI検索時代において引用・上位表示されにくくなっています。自社の実績データ、顧客アンケート、独自の統計など、他社が持っていない一次情報を盛り込めるキーワードかどうかを確認しましょう。
■ STEP8:優先順位を付けてコンテンツ制作を進める
「検索ボリューム」「競合性」「コンバージョンへの近さ」「自社の強みとの親和性」の4軸で優先順位を付け、無理のない制作ペースでコンテンツ化を進めます。
SECTION 04キーワード調査に役立つツール
■ Google公式ツール
- Googleキーワードプランナー:Google広告のアカウントがあれば無料で利用可能。検索ボリュームの目安や関連キーワードを取得できます。
- Googleサーチコンソール:自社サイトが実際にどんな検索クエリで表示・クリックされているかを確認できる無料ツール。既存記事の改善やロングテールキーワードの発掘に有効です。
■ サジェスト取得ツール
- ラッコキーワード:メインキーワードに対する検索サジェストや共起語を一括取得できる無料ツール。関連キーワードの洗い出し(STEP3)で活躍します。
■ 有料SEOツール
- Ahrefs:海外製の高機能SEOツール。競合サイトの流入キーワードや被リンク状況を詳細に分析できます。
- Keywordmap:国内SEO会社が提供するツール。日本語検索に強く、競合分析や検索意図の可視化に向いています。
まずは無料のGoogleキーワードプランナー・サーチコンソール・ラッコキーワードの組み合わせで基本のリサーチを行い、事業規模の拡大に合わせて有料ツールの導入を検討するのが現実的な進め方です。
SECTION 05AI検索時代に成果を出すキーワード活用術
■ AIに引用されやすい記事構成とは
AI Overviewは、質問に対して簡潔に答えられる構造化されたコンテンツを引用しやすい傾向があります。見出しをQ&A形式にする、結論を先に述べるPREP構成(結論→理由→具体例→結論)を徹底するなど、AIが「どこが答えなのか」を機械的に判別しやすい書き方が有効です。
■ トピッククラスターで専門性を高める
1つの軸となるテーマ(ピラーページ)に対して、関連する個別記事を内部リンクで結びつける「トピッククラスター」の設計は、サイト全体の専門性・網羅性の評価を高めるうえで有効です。検索エンジン・AI検索の双方に対して、「このサイトはこの分野に詳しい」というシグナルを送ることができます。
■ 地域SEO・MEOと組み合わせる
店舗ビジネスの場合、Goクエリを意識したコンテンツとGoogleビジネスプロフィールの最適化・口コミ獲得をセットで行うことで、通常検索・AI検索・マップ検索のすべてで露出を狙えます。
SECTION 06キーワード選定でよくある失敗とは?
1つの記事に検索意図の異なる複数キーワードを無理に詰め込むと、内容が浅く散漫になり、どのキーワードでも評価されにくくなります。
同じキーワード・検索意図を狙った記事を複数公開すると、サイト内で評価が分散し、本来1つの記事が得られるはずの順位を得られなくなります。
検索ボリュームが大きくても、自社の商材との関連性が低い、あるいは競合が強すぎるキーワードは、労力に対して成果が出にくい傾向があります。
SECTION 07まとめ
■ キーワード選定はSEOの成果を左右する最重要工程
本記事で解説したとおり、SEOキーワード選定は検索ボリュームの大小だけでなく、検索意図・自社の強み・AI検索での引用可能性まで含めて判断すべき工程です。
■ 公開後も分析・改善を繰り返すことが重要
キーワード選定は一度で完成するものではありません。Googleサーチコンソールで実際の検索クエリとクリック率を定点観測し、想定と異なる結果が出ている記事は継続的にリライトしていくことが成果につながります。
■ リソースが不足する場合は専門家への相談も検討する
キーワード選定から記事制作、AI検索への最適化まで自社だけで対応するのは、担当者の負担が大きくなりがちです。リソースが不足している場合は、外部の専門家に相談することも有効な選択肢です。
この記事のポイント
SEOキーワード選定は「検索ボリューム」だけでなく検索意図・自社の強み・AI引用のされやすさまで含めて考える時代に入りました。
まずは無料ツールでの基本リサーチから始め、8ステップの手順に沿って優先順位をつけて取り組んでいきましょう。
よくある質問(FAQ)
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本記事は「キーワード選定」という一工程だけを深掘りした実務ガイドです。その前後の工程は、下記の記事で扱っています。
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